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患者さんへ

はじめに

けがや病気の時には、手術やお薬を使って治療します。お薬による病気の治療や予防は20世紀後半から急速に進み、新しいお薬がたくさん世に出るようになりました。

新しいお薬のおかげで、それまでは治らなかった病気が治るようになり、手術をしなくても病気を治せるようになってきました。このように、お薬は多くの人々の生命や健康を支えています。現在、私たちが使用しているお薬は、これまでの多くの方たちの協力により生まれてきたものです。

しかし、未だ治せない病気もたくさんあり、また、より効果が高い、より副作用の少ないお薬をつくるためにも、新しいお薬の開発が必要です。

治験とは?

開発中のお薬を「お薬」として使えるようにするためには、人の病気に役立つかどうかを、健康なボランティアの方や患者さんに使っていただいて、有効性(効果=主作用)と、安全性(副作用)を調べなければなりません。

このように、人で有効性や安全性などを調べ厚生労働省から医薬品として承認を受けるために行う試験のことを「治験」とよんでいます。

お薬ができるまで(治験の流れ)

新しい「くすり」が使えるようになるためには、次に示すような決められた手続き、段階を経なくてはいけません。

治験のメリット・デメリット

メリット

  • 新しく開発されたお薬や、海外では承認されていても、日本ではまだ承認されていないお薬を用いた治療を受けることができます。
  • 薬の有効性や副作用を確認するため、通常の診療よりも詳細な診察・検査が行われます。
  • 病院長が認定した治験責任・分担医師が、一貫して診察します。
  • 治験参加の期間中、検査代やお薬代の一部を製薬会社が負担するので、治療費の負担が軽減されることがあります。
  • 次世代の為の医療に貢献することにつながります。

デメリット

  • 未知の副作用が発生する可能性が否定できません。
  • 通常よりも診察に時間がかかったり、来院回数や検査が多くなる等、負担が生じることがあります。
  • 正確な結果を得るためや、患者さんの安全を守るために、決められた時間に来院していただく、服用方法を守っていだだく等、患者さんに守っていただくことも多くなります。
  • 治験によっては、効果を正しく評価する目的で、「プラセボ」(外見は治験薬と同じだが、お薬としての有効成分を含まないもの)を服用していただく場合があります。
  • 有効性が認められない場合もあります。

治験参加はあなたの自由意志です

治験を行う医師が、治験の条件に合うと思われる患者さんに、 現在の病気の状態や、考えられる他の治療方法、 「治験」の方法について「説明文書」を用いて詳しく説明します。

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